この記事では、未経験からエンジニアを目指して日々勉強されている方向けに、エンジニアの各職種の概要とIT企業の業態による違いを紹介します。
エンジニアの職種ごとの仕事内容や必要なスキル、どのようなキャリアがあるかを紹介しますので、エンジニアとして転職する際のご参考にしていただけると幸いです。
この記事で紹介するのは私の経験に基づいた主観によるものなので、一部一般的な理解とは異なる部分がある可能性があることをご了承ください。
まずはエンジニアの各職種についてご紹介します。
エンジニアの職種
エンジニアの職種には大別して以下の3つの職種があります。
- デザイナー系(マークアップエンジニア、WEBデザイナー、フロントエンドエンジニア、UI・UXデザイナー)
- バックエンドエンジニア系(プログラマー、エンジニア・SE、アーキテクト・テックリードなど)
- インフラエンジニア系(インフラエンジニア、CI・CDエンジニア、DevOpsエンジニアなど)
これらの職種について、仕事内容や必要なスキルなどを紹介していきます。
また、どのような人がその職種に向いているかも紹介します。
デザイナー系の職種について
最初に紹介するデザイナー系の職種は、主にWEBシステムなどのアプリケーションの画面の作成を担当するお仕事になります。
デザイナー系の職種には主に以下の職種があります。ちなみに下の職種ほど求められるスキルも高く、年収などの待遇も一般的に高くなります。
- マークアップエンジニア(HTMLコーダーと呼ばれることもあります)
- WEBデザイナー
- フロントエンドエンジニア
- UI・UXエンジニア
それぞれの職種の仕事内容と求められるスキルは以下のようになっています。
マークアップエンジニア
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仕事内容
- 決められたデザインのシステムの画面を主にHTMLやCSSなどのマークアップ言語でコーディングを行う。
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必要とされるスキル
- HTML、CSSに関する知識
- テキストエディタやブラウザのデベロッパーツールの基本的な使い方
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一般的な年収のレンジ
- 200万円〜400万円前後
WEBデザイナー
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仕事内容
- 画面の仕様や目的を元に画面のレイアウトや配色などを考える。必要に応じてコーディングも行う。
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必要とされるスキル
- マークアップエンジニアに必要なスキル(HTML,CSS)に加えて
- フォトショップやイラストレーターなどのデザインツールを使うスキル
- 画面のレイアウト構成や配色に関する基本的な知識
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一般的な年収のレンジ
- 300万円〜500万円前後
フロントエンドエンジニア
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仕事内容
- 主にWEBシステムにおいて、画面(フロントエンド)側の処理の部分を担当する。
例えば、サーバーと通信して取得したデータを元に画面の表示を更新するなど - 必要に応じて画面のレイアウトなども作成するが、画面のデザイン自体はデザイナーが担当することが多い
- 主にWEBシステムにおいて、画面(フロントエンド)側の処理の部分を担当する。
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必要とされるスキル
- マークアップエンジニアに必要なスキル(HTML,CSS)に加えて
- javascriptに関する知識およびフロントエンドフレームワーク(Vue.jsなど)に関する知識
- ajaxなどの非同期通信を含めたWEBの通信に関する知識
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一般的な年収のレンジ
- 400万円〜700万円前後
UI・UXエンジニア
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仕事内容
- 画面のデザインを通じて、アプリのユーザーの体験(UX)を向上させることがミッション
- WEBアプリケーションやスマートフォンアプリなどの開発において、アプリケーション全体での画面のレイアウトやデザインの作成方針を決める
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必要とされるスキル
- 上記の全ての職種のスキルに加えて、アプリのユーザー目線で、画面の使い勝手やデザインの分かりやすさなどを考えられる視点が必要
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一般的な年収のレンジ
- 700万円以上
デザイナー系の職種がおすすめの人
ここまで紹介してきたデザイナー系の職種は、以下のような方におすすめです。
- 自分の作業結果が、画面の変化となって見れるのが分かりやすくて好きという方
- 色々なアプリを使ってみるのが好きで、分かりやすいデザインや使いやすいデザインを考えるのが好きな方
バックエンドエンジニア系の職種について
バックエンドエンジニア系の職種は、主にサーバーサイドと呼ばれる。WEBアプリやスマホアプリなどで、保存しているデータを画面に表示するために取得したり、複雑な計算をしたりする部分のシステムやプログラムを作成する職種です。
バックエンドエンジニア系の職種には主に以下の職種があります。こちらも下の職種ほど求められるスキルも高く、年収などの待遇も一般的に高くなります。
- プログラマー
- エンジニア、SE
- アーキテクト、テックリード
それぞれの職種の仕事内容と求められるスキルは以下のようになっています。
プログラマー
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仕事内容
- 仕様書や詳細設計書に基づいて、その仕様通りに動作するプログラムを作成する
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必要とされるスキル
- 開発に使用するプログラミング言語の知識(Ruby,PHP,Javaなど)
- プログラムのデバッグに関するスキル
- IDEやテキストエディタ、バージョン管理ツール(Gitなど)の開発ツールに関するスキル
- データベース(SQL)やWEBシステムに関する基本的な理解
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一般的な年収のレンジ
- 300万円〜400万円前後
エンジニア、SE
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仕事内容
- システムで開発する機能を実現するためにどのようなプログラムを作ればいいか、どのようなデータをデータベースに保存するか、画面に返すデータはどのような物を返すかといったシステムの機能を開発するために必要な条件を整理し、設計に落とし込む。必要に応じて実際のコーディングも行う
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必要とされるスキル
- プログラマーのスキルに加えて
- システムの設計に関するスキル・経験
- 異常時の処理を洗い出すスキルと異常発生時にどのような処理を行うかを関係者と調整するスキル
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一般的な年収のレンジ
- 400万円〜700万円前後
アーキテクト、テックリード
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仕事内容
- 作るシステムの内容や求めらる機能やパフォーマンスを踏まえた上で、効率的にシステムを開発するために、最適なシステムの構成や採用する技術を選定する。
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必要とされるスキル
- エンジニアとしてのスキルに加えて
- システムやミドルウェア、各種開発のためのサービスに関する幅広い知識
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一般的な年収のレンジ
- 800万円以上
バックエンドエンジニア系の職種がおすすめの人
ここまで紹介してきたバックエンドエンジニア系の職種は、以下のような方におすすめです。
- 実際にプログラムを作成して、思い通りのものができたときに喜びを感じる人
- 物事やデータを、効率的に処理する方法を考えるのが好きな人
- 新しいツールや開発に使えるツールが出た時に、まずは試してみようと思える人
インフラエンジニア系の職種について
インフラエンジニア系の職種は、WEBアプリケーションなどが動作するためのサーバーを構築したり、安定的に運用してサービスが停止しないようなハードウェアの構成を考えたりするのがお仕事です。
また、セキュリティを意識したネットワークの構成なども考えることが多いです。
また、最近ではインフラのコード化という流れがあり、単にサーバなどを設定するだけでなく、設定を自動化するためのコードを書く仕事をする場合もあります。
インフラエンジニア系の職種には主に以下の職種があります。こちらも下の職種ほど求められるスキルも高く、年収などの待遇も一般的に高くなります。
- インフラエンジニア
- CI・CDエンジニア,DevOpsエンジニア
それぞれの職種の仕事内容と求められるスキルは以下のようになっています。
インフラエンジニア
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仕事内容
- システムを動かすのに必要なハードウェアを構築し、アプリケーションの実行に必要なミドルウェアなどをサーバにインストールする
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必要とされるスキル
- LinuxやWindowsなどの使用するサーバのOSに関する基本的な知識
- 上記のOSに関する基本的なコマンドやディレクトリの構成に関する理解
- バックアップやサーバログに関する基本的な知識
- インストールするミドルウェアに関する知識と設定方法に関する知識
- AWSなどのクラウドインフラを利用する場合は、クラウドに関する知識
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一般的な年収のレンジ
- 300万円〜700万円前後
- クラウドインフラを扱えるかなどで結構年収が変わる
- 300万円〜700万円前後
CI・CDエンジニア,DevOpsエンジニア
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仕事内容
- システムを継続的に改善していくために、必要なテストの自動化やインフラ構築、デプロイの自動化などを担当する
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必要とされるスキル
- インフラエンジニアとしてのスキルに加えて
- インフラのコード化(terraformなど)に関する知見
- CI・CDツールに関する知見
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一般的な年収のレンジ
- 600万円以上
インフラエンジニア系の職種がおすすめの人
ここまで紹介してきたインフラエンジニア系の職種は、以下のような方におすすめです。
- サーバーなどのコンピュータ系のハードウェアをいじるのが好きな人
- アプリケーションの要件や負荷から必要なインフラを考えるのが楽しいと感じる人
- 効率化や自動化をするのが好きな人
- 公式ドキュメント(英語で書かれていることも多い)を読むことが苦にならない人
まとめ
この記事では、エンジニアの職種ごとの仕事の概要と必要となるスキル、一般的な年収のレンジについてご紹介しました。
記事が長くなってしまったので、IT企業の業態による違いについては次の記事でご紹介します。
この記事がエンジニアを目指されている方のキャリアの選択の参考になると嬉しいです。