この記事では、現在の学歴や職歴からデータサイエンティスのなりやすさを表すスコアの算出方法と、
スコア別にどのようにデータサイエンティストへの転職を目指したら良いかの戦略を紹介します。
- 文系だけどデータサイエンティストになれるか不安
- 高卒でも大丈夫?
- 30代からでも行けますか?
といった疑問にも答えます。
ちなみに筆者ですが、
- 文系卒
- 20代後半(実務経験4年)
- エンジニアの経験はあり
- データ分析や機械学習は独学
という属性で未経験からデータサイエンティストに転職しています。
結論
まずは結論からご紹介します。
文系でもデータサイエンティストにはなれるか?
私も文系からデータサイエンティストになれたように、文系からでもデータサイエンティストにはなれます。
特にWEBサービスを運営している企業のデータサイエンティストでは、特に文系だからということで採用されないということは無い印象です。
文系卒の方を採用する際に企業側が期待することとして
- 資料作成やコミュニケーションなどの一般的なビジネススキル
- 分析の切り口
- 前職での実務経験(営業での業務経験や業界知識など)
など、分析やプログラミングスキルというよりは、一般的なビジネススキルや業界でのドメイン知識などが期待されることが多いです。
高卒でもデータサイエンティストに転職できるか?
エンジニアとしての実務経験が無い場合はかなり厳しいというのが結論です。
まず、データサイエンティストもエンジニアも未経験の場合、採用企業側の書類選考としては、
大卒以上(できれば修士以上)が前提になって来ます。
その中で、未経験で高卒という場合、書類選考を通過するのも難しいというのが正直なところです。
そのような状況からデータサイエンティストに転職したいという方は、まずは以下のいずれかを目指すのがおすすめです。
-
20代前半の場合
時間や費用が許すのであれば、大学に通い学位を取得するのがおすすめです。
コンピューターサイエンスが学べる情報系の学科がベストですが、理系の学部であればOKです。
大学に行くのが難しい場合は、まずはエンジニアとしての転職を目指し、エンジニアとしての実務経験を積むようにしましょう。 -
20代後半の場合
こちらもまずは、エンジニアとしての転職を目指し、エンジニアとしての実務経験を積むようにしましょう。
もしくは現在のお仕事で部署移動などでデータ分析系の仕事ができないかを模索してみましょう。
30代からでもデータサイエンティストに転職できるか?
30代前半で
- 理系の大学院卒
- 大卒以上で、エンジニアの実務経験あり
のいずれかであれば可能だと思います。
30代後半以降の場合、上記の条件を満たさない場合、
- まずはエンジニアとしての転職を目指す
- 現在のお仕事で部署移動などでデータ分析系の仕事ができないかを模索
のいずれかを目指すのが現実的かと思います。
属性別データサイエンティストのなりやすさ
こちらでは、現在の属性や経歴を元にデータサイエンティストへのなりやすさのスコアを算出する方法をご紹介します。
以下の項目についてスコア化します。
- 学歴
- 職歴
- 年齢
データサイエンティストへの転職にプラスの場合+の点数を、
マイナスの場合は−の点数をつけます。
学歴
学歴については以下の通りです。
最終学歴 | スコア |
---|---|
博士(PhD持ち) | +5 |
修士(理系) | +3 |
修士(文系) | +1 |
学士(理系) | +2 |
学士(文系) | 0 |
高卒、専門学校卒 | -3 |
また、卒業した大学別のスコアは以下の通りです。
学校ランク | スコア |
---|---|
東京一工、旧帝大 | +5 |
早慶 | +3 |
上智・理科大・その他国立大学 | +2 |
MARCH以上 | +1 |
その他 | 0 |
職歴
職歴についてのスコアは以下のようになります。
エンジニアとしての職務経験があるか、又は研究開発職やその他の理系職種の経験があるかがポイントです。
あとは、正社員としての就業経験があるかも重要なポイントになります。
職歴 | スコア |
---|---|
エンジニア | +3 |
研究開発職 | +3 |
その他理系職種(生産管理、品質管理など) | +1 |
コンサルタント | +1 |
その他の職種 | 0 |
就業歴については以下のようになります。
正社員としての就業歴が無い方は、まずは正社員としての転職を目指されると良いかと思います。
就業歴 | スコア |
---|---|
正社員としての就業歴1年以上 | 0 |
正社員としての就業歴1年未満 | -1 |
正社員としての就業歴なし | -5 |
年齢
年齢については以下のようになります。
20代であればそれほど問題は無いかと思います。
30代以上の場合は、年齢をカバーするための経験や学歴などが必要になるかと思います。
年齢 | スコア |
---|---|
20代前半 | +1 |
20代後半 | 0 |
30代前半 | -2 |
30代後半 | -5 |
スコアの出し方とスコア別のデータサイエンティストのなりやすさ
スコアの出し方は、自分の各属性を上記の項目に当てはめたスコアを合計したものがスコアです。
例えば、
- 理系修士卒
- MARCH卒
- 営業職
- 正社員としての就業歴1年以上
- 20代後半
であれば、3 + 1 + 0 + 0 + 0 で合計4点となります。
スコアとデータサインティストのなりやすさの関係は、以下の表のような関係になります。
表はあくまで未経験からデータサイエンティストになる際の書類選考に通りやすいかを示すものです。
スコアが高いから絶対にデータサイエンティストになれるというわけでも、スコアが低いから絶対に無理というわけでも無いので、ご注意ください。
スコア | データサイエンティストのなりやすさ |
---|---|
10点以上 | 書類選考はほぼほぼ通る。メルカリやLINEなどのメガベンチャーの選考に通ることも可能 |
5点以上10点未満 | 書類選考は概ね通る。面接やスキルレベルに問題なければ内定は獲得しやすい。 |
0点以上5点未満 | 書類選考の通過は半々くらい、面接でスキルや職務経歴などのアピールが必要 |
0点未満 | 書類選考の通過は厳しい |
スコア別の転職ロードマップ
以下では上記で出したスコア別に、データサイエンティストへの転職の戦略を紹介します。
スコアが10点以上の場合
スコアが10点以上の場合は、書類選考はほぼ通ります。
- データサイエンティストを目指す動機
- データサイエンティストとしてどのような業務に携わりたいか
- 現職の職務経歴の棚卸し
- どのようなカルチャーの会社が自分にフィットしそうか
- 希望する年収のレンジ
など、転職活動の面接対策やどのような企業が自分にマッチするかなど、
自分にあった企業に転職するための面接対策や企業研究に重点をおきましょう。
スコアが5点以上10点未満の場合
スコアが5点以上10点未満の場合は、書類選考は概ね通過します。
あとは面接での受け答えなどが合否の分かれ目になるので、面接対策をしっかりしていきましょう。
上記の面接対策や企業研究に加えて、
- コーディング面接対策
- 技術面接対策
を行い、面接やスキルチェックで落とされることが無いように対策しましょう。
スコアが0点以上5点未満の場合
スコアが0点以上5点未満の場合は、書類選考の通過率は半々程度です。
面接での受け答えも大切ですが、
- Githubやポートフォリオなどのアピール材料の整備
- Qiitaやブログ、Twitterなどで情報発信を行う
自身のアウトプットを積極的にアピールして、書類選考の通過率を上げれるようにしましょう。
スコアが0点未満の場合
スコアが0点未満の場合は、書類選考に通過すること自体が難しくなります。
最終的な目的はデータサイエンティストに転職することとしつつも、
- まずは、エンジニアに転職する
- まずは、正社員に転職する
- 大学に進学する
といった、書類選考に通過するために必要な職歴や学歴を獲得することを念頭に、
長期的な観点で活動することが必要になります。
まとめ
この記事では、現在の学歴や職歴からデータサイエンティスのなりやすさを表すスコアの算出方法と、
スコア別にどのようにデータサイエンティストへの転職を目指したら良いかの戦略を紹介しました。
この記事で紹介したスコアの算出方法やスコアごとのデータサイエンティストのなりやすさについては、
筆者のこれまでの経験による実感なので、企業ごとに採用基準も異なりますし、この記事のスコアが絶対的なものでもありません。
あくまで未経験からデータサイエンティストに転職する際の、企業の書類選考の目安とお考えください。